チョウザメといえば、キャビアですよね。
美深町では、海外産のチョウザメの稚魚の養殖に取り組み、世界3代珍味で高級食材といわれるキャビアの生産を目指してきて、今回はじめて商品化されました。
昨年までは、商品化するほどの量を確保できず、びふか温泉を利用した方にのみ提供されていたようですが、昨年秋には約5キロの採卵に成功。
びふか温泉売店で販売すると、20g 12,000円にもかかわらず注文が殺到したようです。今回製品化されたのは約170個だそうです。
びふか温泉にて「美深キャビア」販売開始
美深町は北海道の北に位置する人口は4,659人の小さな町です。
その、美深町でチョウザメの養殖がおこなわれ、今回キャビアの販売をすることになりました。
1月22日よりびふか温泉の売店にて「美深キャビア」を販売いたします。
20g入り12,000円税込 (冷凍)地方発送もいたしますが、送料は別途かかります。(冷凍便での発送)
数量限定の販売でございます!びふか温泉公式サイトより引用
20グラム入りを80セット、25グラム入りを20セット用意して、20グラム入りは完売した。2月中旬には、ふるさと納税の返礼品として20グラム入り50セットを提供する予定となっている。
外国産のキャビアと違い、国産のキャビアは塩を少なめにし『フレッシュで卵のコクが口中に広がるようなおいしさ』なのだそうです。
今後は、安定供給できるようにするのが課題で、ふるさと納税の返礼品や美深の新たな名物にしていきたいとのこと。
ただ、”現状は安定して卵を生産できるところまでは届いておらず、「びふか温泉」で予約した方にしかキャビアを提供できない”と言っています。
限定販売となっていて完売も近そう。気になる方はお問合せしてみてくださいね。
金額の相場などは分かりませんが、高価なものであるのは間違いないですね。・・・20g 12000円
でも、国産で道内産のフレッシュ・キャビアなら、一度くらい食べてみたいですね。
限定販売で、売り切れ間近かもしれませんが、びふか温泉へ行けば、食べることができるんですね。
”オスの身も見逃してはいけない副産物”だそう。
魚肉は淡白で臭みがまったくなく、プリっとしてとっても美味しいらしいですよ。びふか温泉の食事やレストランで提供されているのでお見逃しなく!
札幌のホテルやレストランからの問い合わせも多いらしいです。
旅行がてら、びふか温泉に行ける日は来るのか、、、。
びふか温泉
住所 | 北海道中川郡美深町字紋穂内139番地 |
電話番号 | 01656-2-2900 |
営業時間 | 11:00~21:30(日帰り入浴) |
定休日 | 無休(4月・11月にメンテナンスで2日間休館) |
サメではないチョウザメとキャビアができるまで
チョウザメは主にカスピ海や黒海で捕れる古代魚で、チョウザメとは言っても分類学上はサメ科とは異なるようです。チョウザメ科に属します。
チョウザメとは
サメに似ていて、鱗がチョウの形をしているのでチョウザメと名付けられたようです。ということは、、、日本名ですよね。英名はsturgeon(スタージョン)だそうです。
硬骨魚類といって、タイ、鮭、マグロなどの仲間だそうですよ。
体長は、1m前後ですが、種類によっては3m以上になるものも。寿命は70年以上といわれています。
サメのような長い鼻の下に4本のヒゲと口。でもサメと違って歯はない。
チョウザメは、河川に生息しする淡水魚です。川で産卵し、湖や海へ下るのだそうです。
腎臓を持っているので、老廃物は全て体外へ出てしまうようです。
そのため魚肉は臭みがなく、上品で淡白な味わい。くせがないので歯ごたえと癖のない味わいを活かす食べ方が生食だそうです。お造りや寿司、マリネなど、チョウザメの魚肉の魅力が楽しめます。
チョウザメの卵からキャビア
キャビアとはチョウザメの卵巣をほぐして塩漬けにしたもの。海外産のキャビアは保存期間を長くするため、多くの塩を使っているそうです。そのため、本来のキャビアの旨味が消えてしまっていたそうです。
近年は技術の改善によって低い塩分濃度でも半年以上保存できるようになりました。旨みが豊富な熟成したキャビアが世界市場でも主流になっているようです。
アメリカや日本向けのキャビアには防腐剤やホウ酸の添加はできないため、低温殺菌(63度で30分間加熱殺菌する方法)で処理されることが多いそうです。低温殺菌すると、風味が変わり少し弾力のあるキャビアになるそうです。
低温殺菌したキャビアを「パスチャライズ・キャビア」、低温殺菌していないキャビアを「フレッシュ・キャビア」と分けて呼んでいます。
美深町のキャビアは、フレッシュ・キャビアです。
キャビアは熟成させるとアミノ酸が増え、旨みやコクが深まる食材。
長期間寝かせて熟成させることで、粘り、ツヤが出て粒が宝石のように輝くそう。
防腐剤を使わず卵と塩だけで長期間熟成するためには、不純物を徹底的に取り除くことが必要。雑味のないキャビア本来の旨味だけを引き出します。
国産のキャビアは、他にもあります。
先駆けで有名な「宮崎キャビア」、岐阜の「奥飛騨キャビア」、浜松の「ハルキャビア」などもチョウザメの養殖に力を入れているようです。
北海道の美深町でチョウザメを養殖するようになったのは?
チョウザメの産地はロシアなのだそうですが、実は北海道でも昭和初期までは天塩川や石狩川に生息していたのだとか。当時、身や卵は人々の貴重な食糧として扱われていたのだそうです。
1963年に日本とロシアとの友好の印として、アユの卵と交換したのがチョウザメでそこから日本での養殖が始まったようです。
そして1983年、寒冷地での飼育実験として美深町の三日月湖に300尾を放流したのが養殖事業のはじまりで、美深町のトッププロジェクトになっているそうです。
美深町からチョウザメの養殖事業を託されているのが、株式会社美深振興公社。
美深町は1997年にチョウザメを本格的に飼育するための施設「チョウザメ館」をびふかアイランド内にをオープン。採卵も始めました。
試行錯誤の結果、チョウザメの数はどんどん増え「チョウザメ館」が手狭になったため、今は廃校になった小学校のプールなど4か所に約4,000匹を養殖している。
取材したsankeibizによると、町総務課の紺野哲也係長は「生まれてから抱卵まで8年。卵の質や量はどこまで親魚を大きく育てられるかに懸かっている」と話しています。
チョウザメはロシアなどでの乱獲により、近年は絶滅危惧種にもなっているようです。
養殖によってチョウザメを増やすことができれば、天然のチョウザメを捕獲しなくても養殖でキャビアをたくさん作れるようになり、天然のチョウザメの保護につながるという考えもあるようです。
チョウザメの稚魚はとってもデリケートで、塩素を抜いた水を使用し水温も四季が感じられないと産卵の周期が変わってしまうらしいです。
まとめ
キャビアには全く縁のない生活をしていますが、なぜか気になって調べてしまいました。
北海道の小さな町で、チョウザメの養殖をして高級食材のキャビアを作っていたとは驚きです。
まだ、販売量は少ないですが、今後安定供給を目指していくようなので、札幌のホテルやレストランなどでいただける日が来るのはそう遠くはなさそうですね。
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